俺の同僚曰く、世界平和はどんちゃん騒ぎと笑顔でできている「下」
「私たちは、国も、立場も、人種も越えて、繋がる時が来たのです。武器を捨て、弱者を助け、一国の人間だけでなく、一部の人間だけでなく、世界中全ての国々の人が笑えるように、明日を作っていけるようにしていくのです。ここに平和と平等を誓いましょう」

クリスタル王女様の演説が終わる。大広間は拍手に包まれた。

「堂々としていてとても憧れます」

切ない微笑みを浮かべながら、小町が呟いた。

俺は何も言えないまま、お辞儀をし、国民に手を振るクリスタル王女様を見つめることしかできなかった。

もう、全て終わったのだ。



あの平和の式典から一カ月が経つ。俺は相変わらず警察官として働く傍ら、世界平和対策本部の議長をしている。

俺を議長に任命した貴族ーーールーファス・マーロンが式典の後家にやって来て、「世界平和対策本部はずっと残り続ける」と言ったからだ。

アレックスたちとまた会議ができるのは嬉しかった。しかし、タンバリー国の代表はクリスタル王女様ではなく、全くの別人となっていた。

会議は、パーティー会場になることなく過ぎていく。クリスタル王女様がいないだけで、会議室の賑やかさが一つ減った気がするのは、きっと俺だけではないだろう。
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