俺の同僚曰く、世界平和はどんちゃん騒ぎと笑顔でできている「下」
茶色のスーツを着て、大きなかばんを持ったクリスタル王女様がそこにいた。申し訳なさそうだが、その表情に嬉しさが隠れていることを俺は見抜いた。

気安くもう声をかけてはならないのだ。俺はその場にひざまずき、「王女様、お久しぶりです」と言った。

「待って!待ってください!…リーバス、私は話をしに来たのです」

すぐに慌てた声で、俺に顔を上げるように言う。俺は素直に指示に従った。

クリスタル王女様は、俺の前に自分の両手を差し出し、言った。

「……私を、逮捕してくれませんか?」

その体は小刻みに震えていた。



俺は突然のことに戸惑ったが、とりあえずクリスタル王女様を家の中に入れ、ソファに座らせる。クリスタル王女様の体はまだ震えていた。

「お飲み物を用意しますね」

そう言って俺がキッチンへ行こうとすると、クリスタル王女様は俺の手を「待ってください!」と掴んだ。リリーと同じ体温に、心が久々に高鳴る。

「飲み物は必要ないよ。それにね、私のことはクリスタルって呼んでほしい。敬語もやめて」

「……それは、命令ですか?」

「命令です」
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