俺の同僚曰く、世界平和はどんちゃん騒ぎと笑顔でできている「下」
番外編一 王女の闘い〜自由を掴むために〜
ジャック・グラスが逮捕されたその日、私の自由も終わりを告げた。
私の本当の名前は、クリスタル・モーガン。タンバリー国の影の王女……。
「王女様、列車の手配はできております」
ルーファス様がそう言い、私はジャックを拘束した王宮警備隊たちにお礼を述べて列車に乗った。タンバリー国に戻るためだ。
お城では、タンバリー国に戻った国王と王妃たちが待っている。私は窓の外を流れていく景色を見ながら、自分の意思を言うことを決意していた。
私は何も言わなければ、どこかの国の王子と結婚させられてしまう。それは絶対に避けなければならない。何故なら、私はリーバス・ヴィンヘルムを愛しているから。
ぼんやりしていると、また過去のことが蘇る。私は目を閉じた。
リリーと過ごした日々は、今でも鮮明に覚えている。
私は外に出ることを禁じられ、兄弟や親から蔑まれて生きてきた。名前を人に名乗ることも許されず、私に親しくしてくれた人は、私のことを偶然知ったルーファス様だけだった。
名前を名乗ってはいけないのに、一緒に過ごした時間が楽しくて、私は初日で本当の名前を教えてしまった。それでも、リリーとずっと遊び続けた。
先のことも、周りのことも見えていない。ただ、今を懸命に楽しもうと思った。私が作った一瞬の自由だから。
私の本当の名前は、クリスタル・モーガン。タンバリー国の影の王女……。
「王女様、列車の手配はできております」
ルーファス様がそう言い、私はジャックを拘束した王宮警備隊たちにお礼を述べて列車に乗った。タンバリー国に戻るためだ。
お城では、タンバリー国に戻った国王と王妃たちが待っている。私は窓の外を流れていく景色を見ながら、自分の意思を言うことを決意していた。
私は何も言わなければ、どこかの国の王子と結婚させられてしまう。それは絶対に避けなければならない。何故なら、私はリーバス・ヴィンヘルムを愛しているから。
ぼんやりしていると、また過去のことが蘇る。私は目を閉じた。
リリーと過ごした日々は、今でも鮮明に覚えている。
私は外に出ることを禁じられ、兄弟や親から蔑まれて生きてきた。名前を人に名乗ることも許されず、私に親しくしてくれた人は、私のことを偶然知ったルーファス様だけだった。
名前を名乗ってはいけないのに、一緒に過ごした時間が楽しくて、私は初日で本当の名前を教えてしまった。それでも、リリーとずっと遊び続けた。
先のことも、周りのことも見えていない。ただ、今を懸命に楽しもうと思った。私が作った一瞬の自由だから。