俺の同僚曰く、世界平和はどんちゃん騒ぎと笑顔でできている「下」

そのことが、リリーが本当に貴族なのかと不思議に思った。

客室も広間同様、無駄な豪華さはなく、落ち着ける空間となっている。

その部屋の椅子に座り、俺は不思議に思ったことを頭の中で整理した。

資料には、リリーの家族が多いという情報が書かれていた。しかし今、この屋敷にいるのはリリーとメイドだけだ。他の誰かが住んでいる様子を全く感じない。そのことが一番気がかりだ。

しばらく答えの見えない問題を考えていると、部屋がノックされ、メイドが入ってきた。

「リーバス様、お風呂が沸きましたので、体を休めてください」

「あ、ああ…」

一般市民より、少し広めのお風呂に浸かり、メイドが用意してくれたパジャマに着替え部屋に向かって歩いていると、「リーバス、ちょっといい？」とリリーに声をかけられた。

「どうしても話したいことがあって…。大丈夫？」

リリーが真面目な表情で俺を見つめる。

「大丈夫だ」

俺は頷き、リリーの自室に招かれた。豪華なものは何もない、しかし女性らしい部屋だ。

「今日は星がとてもきれいに見えるよ」

リリーが窓とカーテンを開け、俺を手招きする。