俺の同僚曰く、世界平和はどんちゃん騒ぎと笑顔でできている「下」
リリーの気持ちを知れて、嬉しさが胸の中にあった。優しい空気と、穏やかな感情が、この部屋を満たす。

「……リーバス、ありがとう。みんなのおかげで、元気を取り戻せた」

顔を上げ、微笑んだリリーは、時を止めてしまいたくなるほど美しかった。

「私、桜花国に行く。リーバスも一緒に行こうよ」

俺の返事は、もうとっくに決まっている。

「警察の仕事は、しばらく休みをもらった。……行こう」

リリーが「やった〜!」と笑う。俺はリリーの柔らかい頰を両手で包んだ。



桜花国は、ドリス国やタンバリー国からとても遠くにある。

おそらく、俺たちが訪れた国の中で、今のところ一番遠い国だろう。

今回の旅は対策本部としてのものではないため、俺とリリーとジャックしか行ける者がいなかった。アレックスは学校があり、(学校をサボる!と駄々をこねたがみんなに説得された)フローレンスは舞台の公演が立て続けにあり、イワンは畑の作業をしなければならないと言い、リーも病院での仕事が忙しいらしい。
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