俺の同僚曰く、世界平和はどんちゃん騒ぎと笑顔でできている「下」
「早速、案内したいと思います」

小町がそう言って微笑む。その後ろから大きな車輪のついた乗り物を引っ張る男性が二人現れた。

「これに乗ってください。この人力車で行きたいと思います」

小町がそう言って人力車の座席に座る。人力車は二人乗りだ。

「わ〜!人力車なんて初めて〜」

リリーが楽しそうに小町の隣に座る。

「僕らも乗りましょう」

ジャックに促され、俺は「ああ…」と頷いた。ドリス国やタンバリー国に人力車はない。やはり、国が違えば交通手段なども違うのか。

「それでは、出発します!リラックスしてくださいね!」

運転手がそう言い、人力車が動き出す。外国人が乗っていることに桜花人が驚き、こっちを見る。

辻馬車とは違う感覚が伝わってくる。風が肌に直接あたり、心地よい。

前からはリリーの楽しそうな笑い声が聞こえてくる。その笑い声に俺は安心し、安堵のため息をついた。

三十分ほど人力車に揺られ、着いたのは立派な城下町だ。大昔からあるであろう建物が道の両側に並んでいる。遠くに見える城も、タンバリー国などで見たものとは違う。
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