俺の同僚曰く、世界平和はどんちゃん騒ぎと笑顔でできている「下」
初めて着た着物は、普段着る服やスーツと違い窮屈に感じる。しかし、異国の文化に触れることができた嬉しさの方が大きい。

「リーバスさん、とてもお似合いですね」

先に着付けてもらったジャックが声をかけてきた。

「お前も似合っているぞ」

桜花人とは体のサイズが違うので、自分の体に合う着物があるとは思っていなかった。着物を着るか迷った理由もそれだ。

「お二人ともお似合いです。桜花人も驚くほどですよ」

着付けをしてくれた店員が、お茶を俺たちに出しながら言う。

「ありがとう……」

ラス国に行った時とは違い、人の温かさを感じる。休暇をもらって正解だと思った。

しばらくすると、「どうかな?」と言いながらリリーが現れた。白い花柄の赤い着物だ。髪もアレンジされている。……ラス国でのパーティーの時とは違うが。

ドレス姿もよかったが、着物もとてもよく似合っている。とてもきれいだ。

「とてもお似合いです!」

「素敵です」

ジャックと小町がリリーを褒める。リリーは嬉しそうに笑った。

「リーバス、どうかな?」

リリーが俺を見つめ、首を傾げる。その仕草に俺は顔をそらし、小さな声で言った。

「……よく似合っている」
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