俺の同僚曰く、世界平和はどんちゃん騒ぎと笑顔でできている「下」
小さな声だったが、リリーの耳にはきちんと届いたようだ。顔が赤くなっている。その表情に、俺の胸が高鳴った。

「ありがとう」

店を出た後は、俺たちは小町に城下町を案内してもらった。ドリス国にはないものにあふれ、目線があちこちに移ってしまう。しかし、俺は気を張っていなければならない。なぜならーーー……。

「わあ〜あれは何?」

ふらふらとリリーがどこかへ行ってしまうからだ。

「こら!勝手にどこかへ行くな!手錠で繋げるぞ!!」

「リーバスさん、それは犯罪ですよ」と苦笑しながらジャックと小町が言う。

リリーを捕まえそう言うと、「ご、ごめんなさ〜い!」と謝るがまたすぐふらふらとどこかへ行こうとする。

ラス国の時より苦労はないが、リリーは一番の問題児なので気は抜けない。

二時間ほど城下町と城を観光し、俺たちは二週間世話になる旅館へと向かった。



世話になる旅館は、小町の家が経営する旅館だ。

「今夜は貸し切り状態になっています。なので、多少騒いでも問題ありません」

「わ〜い!パーティーしよう!」

「お前の頭の中はそれしかないのか?」
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