俺の同僚曰く、世界平和はどんちゃん騒ぎと笑顔でできている「下」
「だ、大丈夫だ!俺は病気になどかからん!……それで、なぜ二人でなんだ?」

誤魔化すように早口で言うと、リリーは恥ずかしそうに言った。

「その……ラス国で二人きりで出かけた時、すぐに帰らなくちゃいけなくなったでしょ?二人で今度こそ遊びたいんだ……」

その言葉が、素直に嬉しかった。俺は未だ恥ずかしそうにしているリリーの頭を撫でる。

「わかった。なら、急いで支度をしよう」

「本当!?やった〜!」

天真爛漫に笑うリリーを見て、俺はやっぱりリリーには笑顔が似合うと思った。そんな俺を、小町とジャックは微笑みながら見ていた。



朝食を食べ終えた後、俺は急いで支度を終え、リリーが泊まっている部屋の前に向かった。ジャックは小町と二人で観光に行くそうだ。

桜花国に来た翌日からは、俺たち以外のお客も大勢入り、旅館はとても賑やかになっている。

廊下を桜花人のお客が通り、その度に俺を物珍しそうに見つめては去っていく。

部屋の前に来て二十分後、扉が開いた。

「お待たせ〜!小町に着付けてもらってたんだ!」

「お待たせして申し訳ございません」
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