俺の同僚曰く、世界平和はどんちゃん騒ぎと笑顔でできている「下」

恥ずかしい思いを何とか耐え、俺とリリーは列車から降りた。

「この町にはね、夢を叶えてくれる神社があるんだって！」

駅を出て歩きながらリリーが言う。

「夢？」

「そう！神様が叶えてくれるんだよ！」

神様が何でも叶えてくれるのなら、この世界は永遠に平和だ。そう思ったが、リリーの無邪気な笑顔を見ていると、そんなことどうでもいいと頭から消去されていく。

「小町が言ってたんだけど、願い事は言っちゃいけないんだって。言うと願い事が叶わないんだってさ。あと、願い事は一つだけしか叶えてくれないんだって」

リリーは真剣な表情になり、考え込む。

「どうしよう…。叶えたいこと、いっぱいあるんだよね」

「どんな願い事があるんだ？」

興味を惹かれ、俺は訊ねた。リリーは明るい笑顔で話す。

「えっと……ジェラートをお腹いっぱい食べたいでしょ。小町が作ってくれた茶碗蒸しが食べたいでしょ。トカイワインをいっぱい飲みたいでしょ。世界中のお菓子を食べたい！ああ〜いっぱいありすぎてきりがないや！」