俺の同僚曰く、世界平和はどんちゃん騒ぎと笑顔でできている「下」
すると、「ちょっといいかしら?」と肩を叩かれた。

横にフローレンスが立っていた。気だるそうに髪をかきあげるその姿は、まるで神話に登場する美しい女神のようだ。

「フローレンス、何だ?」

フローレンスはため息をつきながら、俺の隣に座り俺の目を見つめる。

「リリーのことですわよ!頭の中がパーティーと世界平和のことしかないあの子が、二ヶ月もあんな感じなんて、さすがに心配になりますわ!どうにかなりませんの?」

俺はフローレンスがら目をそらし、深いため息をつく。

「……俺も考えているんだが、いい案が思いつかないんだ。話しかけようとしても避けられるし…。気にする必要はないとは言ったんだがな」

「いつものメンバーで、何か元気づけであげたいですわ。みんなにも私から話しておきますわ。だから、何か案を考えておいてくださらないかしら」

「……わかった」

俺が頷くと、フローレンスは安心したような笑みを浮かべ、会議室を去って行った。



その人物は、泣いていた。暗い屋根裏部屋で一人、オルゴールの音を聴きながら、涙を流していた。
< 4 / 211 >

この作品をシェア

pagetop