俺の同僚曰く、世界平和はどんちゃん騒ぎと笑顔でできている「下」
「願い事、した?」

リリーが優しく微笑みながら俺に訊ねる。

「もちろん」

俺は大きく頷いた。願いを叶えるため、互いにどんな願い事をしたのかは聞かない。暗黙の了解だ。

「次の場所、行こっか」

「ああ。次はどこに行くんだ?」

「次は、小町おすすめの雑貨屋に行こうかなって思ってる」

「そうか。楽しみだ」

神社を出ようと石畳みを歩いていると、人の声が前方から聞こえてきた。一人や二人ではなく、大人数だ。しかし、声の主たちは神社の前にある長い階段を登っているので、どんな人たちなのかはわからない。

「誰か来るね」

リリーがそう言った瞬間に、袴姿の年齢層がバラバラの男女たちが歩いてきた。全員で七人。

「あれ?この時間帯、人なんておらんのに珍しいなぁ〜」

男性の一人が俺たちに気づく。

「ホンマや!お姉さんたち外人さんやろ?どこから来たん?」

一番若そうな男性が笑顔で訊ねる。リリーが同じく笑顔で答えた。

「私はリリー・オクト!タンバリー国から来たんだよ!隣にいるのはリーバス・ヴィンヘルム。ドリス国出身だよ!」

そうリリーが言うと、男性たちが俺とリリーを見つめる。

「どうも…」

そう言い頭を下げると、男性たちの目が輝いた。
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