俺の同僚曰く、世界平和はどんちゃん騒ぎと笑顔でできている「下」
「初めまして!俺たちはこの神社でお笑いの練習をさせてもらっとるです!私は座長を務める太郎です」

最年長であろう男性が言った。

「まだまだいっぱい新喜劇の役者はおるんやで!」

「せや!せっかくやし、ネタ見てってや〜!」

俺たちは神社にある木で作られた椅子に座らされ、新喜劇を見ることになった。

「…予定が変わったのだが、大丈夫なのか?」

俺が小声で訊ねると、リリーは笑顔で答える。

「全然大丈夫だよ!むしろ、こうして人と関われて嬉しい!」

「なら、いいんだ」

リリーが笑って、楽しんでくれるのなら俺も嬉しい。俺たちが楽しみにしている間に、新喜劇の役者たちは準備を終えたようだ。

「ほな、特別新喜劇の始まり始まり〜!!」

一番若い男性が言うと、カンカンカンと女性が拍子木を鳴らす。劇の始まりだ。

劇の内容は、会社に勤める人々の日常を演じるものだ。

「井村!井村はおるか〜!?」

太郎さんが、誰が見ても怒っているとわかる顔を見せる。女性の一人が答えた。

「井村くんはまだ来てませんよ?」

「アイツ、また遅刻しとるんか…」

太郎さんが頭を抱える。

「課長、何か、あったん、です、か?」

男性の一人が訊ねる。すかさず「変なところで言葉を切るな!」という太郎さんのツッコミが入った。

リリーが早くも爆笑する。俺もクスリと笑ってしまった。
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