青い龍の激情
な、なに?もしかして、極道の人達って事?

だんだん、血の気が引いて行くのが、分かった。

「この家の娘だな。大人しくしていろ。」

黒いスーツの人達の一人が、煙草の煙を吐いた。

やだ、ここ禁煙なのに。


どうして、こんな事に?

細かく体を震わせていると、また別な人が、お店の方からやってきた。

「若頭。娘、帰って来ました。」

そう言うと、お店の方から、お父さんとお母さんの声が、聞こえてきた。

「知世!早く逃げて!」

逃げてって言っても、体が震えて、動く事ができない。

「お父さん!お母さん!」

そう叫ぶのが、精一杯だった。


そして、低い声が聞こえてきた。

「娘を、連れて来い。」

「はい。」

すると周りにいた黒いスーツの人達が、私を取り囲んだ。
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