青い龍の激情
それなのに、処女だって分かった途端、直ぐに止めてしまって。

気まぐれな人なんだと、思った。

本当に、私の事、大事にしてくれているの?


私は、ユウさんの方を見た。

「もう洋服はいいだろう。家に戻るぞ。」

「はい。」

不器用な言い方。

極道の人って、みんなそうなのかしら。


「また、いっぱい洋服買いに来てくださいね。」

オーナーらしき人に見送られ、私達は車に乗った。

「いい方ですね。」

「ああ。だからいつも、世話になっている。」

その言葉に、胸がチクッとなった。

いろんな女の子に、洋服を買ってあげているの?

なんで、こんな嫌な気分になるんだろう。


「今日は、お仕事に行かないんですか?」

「そうだな。顔だけ出してくる。」

そう言ってユウさんは、私と洋服達を降ろして、仕事に行ってしまった。
< 20 / 85 >

この作品をシェア

pagetop