青い龍の激情
「さあ、店の方へ歩け。」

私は、力のある限り、首を振った。

「若頭が呼んでいるんだ!早く立て!」

責めるように言われ、私は冷蔵庫に捕まりながら、なんとか立ち上がった。

「手のかかる女だな。」

突然、側にいた二人が、私の腕を掴んだ。

「いや!放して!」

「いいから、来い!」

抵抗虚しく、私は台所から、お店の方に連れて行かれた。


「若頭。連れて来ました。」

「ああ。」

その瞬間、私の目の前に現れたのは、強そうで、男らしい黒髪の人だった。

「そのお嬢さんから、手を放せ。」

「は、はい!」

その人の一言で、黒いスーツの男達は素早く動いた。

でも、突然放された私は、その場に座り込んでしまった。

「大丈夫ですか。」

スッと私の目の前に、手が差し伸べられた。
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