青い龍の激情
そして夜中になって、ユウさんが帰って来た。

「おかえりなさい。」

今日も12時半に帰って来た。

「遅くなるから、先に寝ていなさいと言ったのに。」

そう言うとユウさんは、自分の部屋に行こうとした。


「あの!お腹空いてませんか?」

驚いた顔で、ユウさんが振り向く。

「って……夜は、食べないんですよね。」

体に悪いって、勝手に決めてた私が悪かった。

それは、毒を盛られたら、誰だって怖くなる。

「そうだな。何か軽い物を……」

顔を上げた私を、ユウさんは笑顔で迎えてくれた。

「そうですね。何か探してきますね。」

キッチンへ行くと、昨日の夜みたいに、ユウさんもくっ付いてきた。

私は、冷蔵庫の中を見た。

軽い物……軽い物……

軽い物って、何だろう。
< 32 / 85 >

この作品をシェア

pagetop