青い龍の激情
「えっと、何かリクエストあります?」

思い切って聞いてみると、ユウさんも考え込んでいる。

「お茶漬け。」

「えっ?」

「お茶漬けを作ってもらえませんか?」

「は、はい。」


私は、夕食に出た焼き鮭をほぐして、お茶漬けにした。

「うん。美味い。」

ユウさんは、満足したみたいだった。

「大丈夫なんですか?怖い事、思い出しません?」

「いえ。知世さんが作っているのを、目の前で見たから、安心して食べられます。」


よかった。

やっぱり、手作り料理って、最高よね。

って、ここのお抱えシェフだって、一生懸命作ってるんだけどさ。


「昼間は、すみませんでした。」

ユウさんは、私に頭を下げた。

「あなたが作ったお弁当に、毒なんて入っていないのに。」
< 33 / 85 >

この作品をシェア

pagetop