青い龍の激情
「やだ。止めて下さい。若頭さんが、私みたいな女に、頭を下げるなんて。」

すると、ユウさんは私の手を、掴んだ。

「えっ……」

「ありがとう。明日から、あなたのお弁当を持って、出勤するよ。」

そう言うとユウさんは、キッチンから、出て行ってしまった。


はぁー。

私はその場に、くたっと座り込んでしまった。

よかった。

ユウさんが、夕食食べられるようになって。

「よかった……」

自然と、涙が出てきた。


どうしよう。

私、ユウさんが好き。

相手は、極道の人なのに。

そんなの、許されないよね。

でも、私が作った料理で、ユウさんをもっと、笑顔にしたい。

そんな思いで、胸の中はいっぱいになった。
< 34 / 85 >

この作品をシェア

pagetop