青い龍の激情
「いつも雄二が、お世話になっています。」

「は、はぁ。」

さっきまでお兄ちゃんって、言ってたのに。

途端に”雄二”って。


「あなたも、怪我をしたと聞いて、来て下さったのね。」

「はい……」

「ご心配おかけしてすみませんでした。」

「いえ。」

なんだか、ユウさんの家族みたい。

この人を見ていると、寂しくなる。


「堅気の人ですよね。びっくりしたでしょう。」

「そう、ですね。」

「私の家も極道だから、怪我をしたって聞いても、ある程度覚悟してるんですけど……今回は、雄二がって聞いたから。」

やっぱり、何かあるとしか思えない。

「もっとしっかりしなきゃ。雄二のお嫁さんになるんだから。」

「えっ……」

頭が真っ白になった。

この人、ユウさんの婚約者なの?
< 39 / 85 >

この作品をシェア

pagetop