青い龍の激情
「ねえ、雄二。」

するとユウさんは、窓側の方を向いてしまった。

「ああ……」


ああって、そうなんだ。

この人が、本当の恋人で、将来の奥さんになる人。

私は、フラッと倒れそうになった。


「大丈夫ですか?」

「はい。」

そして雪野さんは私を、椅子に座らせてくれた。

優しい手。

この人は、ユウさんにぴったりの人だ。


「じゃあ、私はここで失礼しますね。」

それしか言えなかった。

怪我をした恋人の元に、彼女が駆け付けたんだから、去るしかない。

「今日は、ありがとうございました。」

雪野さんは、ユウさんの代わりに、挨拶してくれた。

そのまま病室を去った私に、付いてくれていたのは、増田さんだった。


「知ってたの?増田さん。」

「ちらっとは、聞いてましたけどね。まさか婚約までしているとは、思っていませんでした。」
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