青い龍の激情
頭を左右に振って、ユウさんの病室に入った。

「ユウさん。」

「知世さん!」

ベッドから起き上がったユウさんは、顔色も良かった。

「もう、起き上がれるようになったんですね。」

「ええ。今日からリハビリですよ。もう少しで、家に帰れます。」

ふいに、じっと私を見つめる、ユウさんの姿があった。

「あの……」

「知世さん。」

「はい?」

じっと見つめてくれるユウさんの顔を見るのは、恥ずかしい。

「退院したら、あなたに伝えたい事があります。」

「えっ……」

「だから、待っていてくれますか?」


周りを見ると、増田さんの姿がない。

まるで、ラブシーンのようだ。


「……はい。」

照れながら返事をした。

どんな事なんだろう。

例え、こんな危険な事があるから、家に帰った方がいいと言われても、ユウさんの近くにいたい。
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