青い龍の激情
もし、そんな事を言われたら、そう言おう。


「そんな思いつめた顔、しないで下さい。」

「は、はい。」

だってまさかの事も、考えておかなきゃ。

この人は極道で、婚約者もいるんだし。


って、確かさっきの話では、婚約者ではないみたいな事、言ってたわね。

さり気なく、聞いてみようかな。

「あの、雪野さんの事なんですけど。」

「雪野の事?」

「……婚約していないって、本当ですか?」

するとユウさんは、クスッと笑った。

「気になりますか?」

「えっ……」


気になるって、普通はなるでしょう!

あんな、言い合っているところ、聞いたら。


「雪野は、小さい頃から俺の周りをウロチョロしていた。幼馴染みなんですよ。大きくなったら、お兄ちゃんのお嫁さんになるって言うのが、口癖でね。まさか本当にそう思っているなんて、考えもしなかった。」
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