青い龍の激情
『ユウさんに、特定の女ができたんですって?』

「ええ、まあ。そうなりますかね。」

増田さんは毎日のように、必死に説得している。


「なんか、私のせいでごめんなさい。」

増田さんは電話を切ると、深呼吸をした。

「何言ってるんですか、姐さん。これは、若頭からの言いつけでもあるんです。」

「ユウさんの?」

「他の女とは、手を切った。それでも連絡をよこす相手がいたら、適当に相手しろってね。」


他の女とは、手を切った?

本当なの?ユウさん。

本当に……私、一人のモノになってくれたの?


「姐さんは、若頭を信じて。ついて行けばいいんですよ。」

「増田さん……」

増田さんは、いい人だ。

いつも私を、励ましてくれる。

ユウさんの側にいる事に、自信のない私を。
< 60 / 85 >

この作品をシェア

pagetop