青い龍の激情
「さあ、行こう。」

両親に連れられて、私はタクシーに乗った。

離れてまだ、1分も経っていないのに、もう寂しい。

ユウさんに、会いたくて仕方がない。


「可哀相に。怖い思いをしたのね。」

お母さんは、何を思ったのか、私をずっと抱きしめてくれている。

「ヤクザに脅されたら、誰だって体を許すわよね。」

「そうだな。」

えっ……

お父さんとお母さん、勘違いしている。

「違うの。私がユウさんを、好きになったの。」

「怖い目に遭った時は、身近な人に恋をするって言うわ。あなたの場合、たまたま身近にいたのが、あの人だっただけよ。」

「違うわ!私は、本当にユウさんを、好きなの。」

「洗脳されているだけよ。しばらく会わなければ、落ち着くわ。」
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