青い龍の激情
次の日。

機嫌のいい私を見て、お父さんは不機嫌そうだった。

「あの男から、連絡があったのか。」

「うん!よくわかるわね。」

「そりゃあ、顔を見てればな。」

鍋をガシガシ洗って、父親としては複雑な心境かな。


そんな時だった。

「すみませーん。」

お店に、お客さんが来た。

「いらっしゃいませ。」

お母さんが出ると、なぜか一歩下がった。

おかしいなと思って、私も出ると、そこには増田さんがいた。


「増田さん!」

「姐さん!会いたかったですぜ。」

「やだ、姐さんだなんて、ここでは止めてよ。」

安心して増田さんに近づいたのが、悪かった。

増田さんはナイフを、隠し持っていたのだ。

「増田さん?」

「姐さん、ちょっと一緒に来てもらいますぜ。」

私は増田さんと一緒に、お店を出た。
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