青い龍の激情
「お父さん!来ちゃ、ダメ!!」

「知世!今、助けるからな!」

お父さんが、ダダダっと走って来た。

だけど直ぐに、その足音も消えた。


「こら!放せ!放せ!!」

増田さんの手下に、お父さんは捕まってしまったようだ。

「お父さん!」

真後ろを見れないから、今、お父さんがどうなっているのか、分からない。

「止めろ!」

「お父さん!!」

そして、私の横に野球のバッドが転がって来た。

これって、お店の置いてあった物。


『悪い奴が来たら、このバッドで殴り返してやる。』

『お父さん、カッコいい!!』

そんな事を言っていたのに。


「親父には、手荒な事をするな。」

増田さんが、低い声で言った。

「殺るのは、青い龍一人だ。その他の奴らは、大人しくさせていろ。」
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