青い龍の激情
その一言に、恐怖を覚えた。

「どうして……」

疑問しか思い浮かばない。

「どうして、ユウさんをそんな風に思えるの!?」


ユウさんを”青い龍”と呼んで、殺そうとするなんて。

まるで、ユウさんの仇みたいじゃない!


「増田さんは、ユウさんの味方じゃなかったの!」

「残念だな!!」

増田さんは、私の知らない顔で怒鳴った。

「俺は、青い龍を始末する為に、奴の組織に潜り込んだんだ!はなっから、味方とかそういうんじゃねえんだよ!」

増田さんの、優しい言葉を思い出す。

あれが全部、嘘だったなんて!


「おまえが、直ぐにイロになってくれればいいものを。やっとイロになったと思えば、屋敷を出るし。こっちは、てこずるばかりよ!」

要するに私を使って、ユウさんを殺す手筈を取っていたんだ。
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