青い龍の激情
「増田!止せ!」

ユウさんが増田さんに、襲い掛かった。

「知世には、手を出すな!」

「うるせえなあ!この女も殺してやる!」

「止めろ!」

ユウさんと増田さんは、殴り合いに発展した。


その時だった。

「知世!」

お父さんの声がして、椅子に括りつけられた紐が緩んだ。

「大丈夫か?どこも痛くないか?」

心配するお父さんの脇に、持って来た野球バッドが置いてあった。

「お父さん、ごめん!」

私はそのバッドを手に持つと、増田さん目がけて飛び込んだ。

「ユウさんを、離して!」

「おっと!」

だけど増田さんは、運動神経がいいのか、軽く私の振ったバッドを掴んだ。

「この女ああ!」

「知世!離れてろ!」

ユウさんの声と同時に、増田さんのナイフが、振り上げられた。
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