青い龍の激情
「そうだ。お父さん!」

私は括りつけられていた椅子の側に、お父さんが茫然としている姿を見つけた。

「お父さん、大丈夫?」

「ああ……」

なんだかお父さん、力が抜けたみたい。

「どうしたの?」

「ん?」

お父さんは、離れて見ているユウさんを、見つめた。

「……知世は本当に、高田さんの事を好きなんだな。」

胸にじわっときた。

「うん。」

するとお父さんは、私を抱きしめてくれた。

「分かった。高田君の元へ行きなさい。」

「お父さん。」

「辛い事があったら、直ぐに帰って来るんだよ。」

私は、お父さんをぎゅっと抱きしめると、ユウさんの元へ行った。

「ユウさん。お父さんが、ユウさんと一緒にいる事、許してくれた。」

「ああ、聞いていたよ。」
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