クリスマスの夜に

「君は、俺はどうしたんだ?」

「あなたは時を超えてきたのよ。あなたの愛するまやみさんに出会うために」

 時を超えた? そんな夢ごとのようなことをいきなり言われても、理解できるわけがない。

 だが、今ここに目にするのは彼女だ、毎年クリスマスの日に出会う妹、まやみによく似た彼女。彼女の言葉は自然と僕は受け入れられるような気がする。

「どうやって僕は時を超えたんだ。そして今は何年なんだ」

「あなたの時代からは正確には、私たちは計測することを伝えることは出来ない。なぜなら、私たちの、そして今あなたがいるこの世界は、あなたの未来でもありそして別な世界でもあるから」

 未来でもあり、別な世界でもある。
 僕は、俺は。時間を飛び越えたのか? 
 
 実際はそうではなかった。
 俺は、私は、自分自身の時間を止めたのだ。

 その方法は明らかにはされなかったが、実際には自分自身の時間を停止させることにより時が勝手に進んだということである。
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