クリスマスの夜に
彼女は一冊の本を俺に手渡した。
「サンタクロースからの贈り物」
古びたその本のページをめくると、サンタの絵が描かれたページが目に入る。ページをめくるごとに信じがたい事実? なのだろうか。
サンタクロースは架空の人物として言い伝えられていたのだが、実際にその存在は実在していた。
しかし、それは我々が思い言い伝えられていた人物像とはかけ離れていた。
サンタクロースは我々のいる時代の現世より、この世界に選ばれた人を召喚させるためにいた人物の事をさしていた。
選ばれしものに授けられた物が、まやみが大切に持っていた、あの水晶のペンダントだった。
まやみはあのペンダントをサンタクロースから、いや、彼女から受け取っていたのか? いや違うあれは……
あれは、亡きおふくろの形見だった。
代々受け継がれてきたという形見のペンダント。そのペンダントをまやみは受け継いだ。