偽りの彼女と真実の彼女

「はい...」

「なら、調べがついているのでしたら、その通りになるのでしょう」

「...な..く...いよ」

「どうしたんですか?」

「消えないでくださいよ!」

そういうハーツの目には涙が出てました

「ハーツ様?」

「お、俺がリードに全て伝えます!」

「ハーツ様、もう、いいのです」

「なぜ、なぜ諦めるのですか!?」

「ハーツ様、リード王子は既にあの娘の王子です。国民にも発表されてます。今頃言っても国民が困難されます」

「リツ様...」

「現にリード王子も私の存在を忘れておられます。騎士達も忘れてます。」

「俺が覚えてますよ!」

「毎日来てくれてるだけで私は嬉しいんですよ」

リツはそう呟いて完全に消えた足を目を移した

「それに、我が国も少しずつ変わったと情報が入ったんですよ?」

「それじゃ、リツ様は助かるのでないですか!」

絶望したハーツは一気に嬉しそうに顔を上げましたが、リツの表情は相変わらず変わりませんでした。
< 29 / 63 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop