偽りの彼女と真実の彼女
「えぇ、メイドや騎士もリツの存在が消えているのは分かってます。が、何人かリツの存在はわかっている人もいます。それはなぜですか?」
「そう、覚えていてくれて嬉しいわ。あの子刺繍とかしてなかった?」
「してましたが...」
「あの子の刺繍を見るとね、心が暖かくなって、幸せな気持ちになるのよ」
ニーナの首を見ると、スカーフが巻かれてます
「それは...」
「これはね、リツが追放される前日に私にくれた最後の贈り物なのよ。あの子ね、他の人を優先に自分のことは後回しにして、結局自分は損するのよ。何度も言っているけど、まったく治らないのよ」
ニーナはスカーフを手に取り、優しく触りました