偽りの彼女と真実の彼女

「そう...」

「しかし、リードはリツ様に会わずにあの娘の言いなりになっており、どうすることも出来ません」

「私が何とかしてみます。」

「助かります。」

「そういえば、リツは元気かしら?」

「えぇ、もう足と手が消えており、体が日に日に薄れてます」

「そう...、ハーツ殿、お願いがあります」

「なんですか?」

「リツを今夜牢屋から外に出してくれませんか?」

「出来ますが、何を?」

「あの子の好きな景色を最後に見せたいのよ」

ニーナは幼い頃のリツを思い浮かべてました

「本当はリツに会いたいけど、会っちゃいけないのよ...」

それは、占い師になったニーナにとっては残酷でした

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