偽りの彼女と真実の彼女


そんなことがあったなんて俺はリツのことをなにも知らずにのうのうと生きてこられたな


「...ハーツ」

「...なんでしょう」

「リツは幸せだったか?」

「えぇ、リツ様は見た目はか弱いという存在でしたが、イラズラ好きで時には俺を困らせたり、リツ様を困らせたりと毎日が楽しい日々でした。リツ様は刺繍以外で本を読んだり、お菓子作りをするのが得意って言ってましたね。リツ様のお菓子は本当に美味しかったですよ」

「僕は食べた事ないけど...」

「ありますけど、リード王子にはあげませんよ?」

「一口でもいいからくれないか?」

「嫌です」

ハーツもリード王子もいつの間にか涙が止まってました
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