偽りの彼女と真実の彼女

「マントは俺が預かってもいいか?」

「...断ります」

「...お菓子もだめ、マントもだめ、ハーツは頑固だな」

「王子には唯一貰ったものがあるでしょ?それで我慢してください」

「わかった」

「俺はこの刺繍とあのマントがリツ様からの唯一の贈り物なんです」

ハーツはそう呟いて、自室へ向かいました。

「それと、王子、今後温室には入らないでくださいよ?ここはリツ様が俺に託した温室なので」

「....時々来てもいいか?」

「俺がいる時でしたら時々いれてあげます」

ハーツはまだリツが牢屋に来た時の話を思い出した
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