もっと愛したかった
「ねぇ、結婚しよ?」私。
「いゃ、いいわ。」彼。
だよね。知ってるよ。
彼が側からいなくなるのが怖かった。
でも、まだ結婚なんてしないのわかってた。
だけど、私の気持ちを言葉で伝えたかったんだよね。
「好きだよ。」なんて、1度も言われた事なかったから。
何で、これだけ一緒に居れてたのか不思議な位。
いつも、好きって言って欲しかったな。
今で言うと、ツンデレだったのかな?
外では、ベタベタしないのに家では
「こっち来いよ。」って抱きしめてくれてたから。
私は、それだけで幸せだった。
すぐに拗ねるし、拗ねたら長いし。
でも、彼のペースに合わせてきた。
まだまだ、遊びたい彼。
1回、浮気みたいな事された事あったんだよね。
目の前で、♡いっぱいのメール来たの見た事あるし。
話し合いだよ。
そっちに行きたかったらいいよ。
「1回は向こうに行こうかな?って考えたよ。けど、戻ってきたやん。」
この事が、何かの引き金だったかも知れない。
彼ってさ、割りとお金持ちの家系の長男なんだよね。
だけど、小学校からの幼なじみだったし、彼の親にも良くして貰ってた。夜、泊まりに行っても何も言わず、そっと布団をもう1組用意してくれてたり。
そのお布団は使った事ないけど(笑)
でも、その頃にへんな噂が立ったんだよね。
私が、後輩と薬物してたみたいな。
何日後かに、彼の両親に呼び出された。もちろん彼も一緒だったんだけど。
彼の母
「こんな話し耳に入ってきてんけど、どうなん??」
もちろん、「否定する私」
彼の母
「あんな、火のないところに煙は立たないって言うやろ?」
「そんな子と息子は一緒にはさせられへんねん。」
「別れてくれへんか?」
「私らもお見合いで結婚して、今幸せにやってんねん。」
「だから、この子にもちゃんとした子見つけてあげたいと思ってるんやわ。」
「それも、親の役目やとおもってるし。」
私の後ろから、話しを聞いてる彼。
何も言ってはくれなかった。
私は、「はい。」って言うしか無かった。
そのまま、失礼しました。と言って部屋から出た。
そして、玄関で靴を履き彼の家を出た。
涙が止まらなかった。
悔しかった。あー、私ぢゃダメなんだよ!って、彼の両親に太鼓判押されたからね。
太鼓判って、普通いい意味で使うものだよね??
彼の家から、ただただひたすらに歩いて帰った。
ちょっと時間経ってから彼から電話があったと思うけど
「ごめんな。」だけだったかな。
もっと、自分の両親に反論して欲しかった。
話しが終わるまで、終始黙ってたから。
その後、どっかまで迎えに来てくれた気がするけど、あんまり覚えてないや。
その後位からかな?
私は、仕事を増やした。
昼の仕事の後、もう1つ掛け持ちでバイトしてた。
ネイルの学校行きたかったし。
彼には言わなかった。
夜、居酒屋でバイトするから!とだけ伝えてた。
後は全部、黙ってた。
夜のバイト先のお客さんと仲良くなってってた私。
気になってた。
ある日、夜の仕事の帰りに家の近くのコンビニで彼が待っててくれた。
急な連絡だったから、タクシーで帰ったんだけど…
随分、不審に思ったんだろーね。
珍しく
「誰かに送って貰ったん??」
「タクシーで帰るとか、今日のバイト代意味なくなったやん」
「店の男に送ってもらったんやろ?」
ビックリしたよ!こんな事を素直に言う人なんだって。
ホントにタクシーで帰ったんだけど、疑われたままその日は私の家に来てくれた。
自分でもビックリする位、彼から気持ちが離れて行きそうだった。
その日の夜、誘われても断ってた。
こんな事、ほんとに初めてだったから。
彼も「もう、嫌いなんやったらええで。」って言う位だったから。
この頃から、少しずつ変わった。
私の気持ち。
長く居すぎたのかな?
ちがう。
愛に飢えてた…。
「愛してるよ」
その言葉が欲しかったんだと思う。
私の手をギュッと握ってて欲しかったんだと思う。
離さず、ずっと繋いでて欲しかっただけなんだよ…。