暗闇に光が差す日
小学2年生の春。僕は、とある男子と席が近くなった。
「ねぇ、優弥」
あまり仲良くない男子が、僕に話しかけてきた。
「なに?」と、僕は首を傾げる。
「今日の昼休みに、運動場に来て欲しいんだけど…」
「いいよ!分かった」
僕は首を縦に振りながら、微笑んだ。
昼休みってもうすぐ何だけどな…と思っていたり。
昼休みに入ると、運動場や校内で遊んでいる生徒がたくさん居る。
僕は、言われた通りに運動場に来ていた。
運動場を歩いていると、急に後ろから誰かに突き飛ばされた。そして、色んな人が(全員、同級生だが)僕を囲んで、突き飛ばしていく。
最後には「お前、絶対にこの事は言うなよ!!」と強く言って、どこかに去っていく。
取り残された僕は泣いた。けれど、周りにいる人は誰も助けてくれないし、声をかけてくれない。
泣きながら歩いていると、小さな晴樹を連れた母が正門付近に立ち、僕を見ていた。
「…何があったの」
母がそう問いかけるが、僕は言わなかった。言えなかった方が正しい気がするが…。
「何があったのか言ってよ」
「嫌だ」
こんなやり取りが何回か続いた後、僕は真実を話すことにした。
「よし、先生に言いに行くよ」
学校に入った母は、真っ直ぐに職員室へと向かって行く。