兄の溺愛がマジでウザいんですけど……《完》
同情という名の愛情
誠也は、私たちに気づかなかったんだろうか。



あの時、誠也は何も言わなかったけど、私は誠也に会うのが怖かった。



だけど、私が思うほど誠也は気にしてないかもしれない。



私の隣にいたのは、お兄ちゃんだから。



私はいつもと同じように、学校が終わるとスーパーで買い物してから誠也の家に向かった。



インターホンを鳴らして出てきてた誠也は、いつもと変わらない笑顔だった。



「美衣、今日もありがとう」



「今日は、シチューでいいかな?
ワンパターンで悪いけど……」



「いいよ。美衣が作るシチュー好きだな」
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