兄の溺愛がマジでウザいんですけど……《完》
「美衣、こっちおいで。ちょっと休んでいったら?」



「うん」



私は笑顔で手まねきした誠也の隣に座った。



「美衣は、俺のこと好き?」



「うん」



私は、遠慮がちにうなずいた。



「どうして、東京にはお兄さんと行ったの?」



私は、その質問に答えたくなかった。



「なんでかわかんないけど……お兄ちゃんも行きたいって言うから」

私は、誠也から目をそらした。
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