兄の溺愛がマジでウザいんですけど……《完》
唇を離した時、妹は何も言わずに泣きそうな目を俺に向けていた。



「男と付き合うって、こういうことなんだよ……
美衣には、まだ早い」



俺が手を離すと、美衣は両手で自分の唇を押さえた。



「そいつとは、付き合うな……」



この13年間、俺を兄だと信じてきた妹のまっすぐな視線が俺に突き刺さる。



俺は、美衣に背を向けた。



「ごめんな、美衣……」



俺はそうつぶやいて、妹の部屋を出た。
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