兄の溺愛がマジでウザいんですけど……《完》
「クリスマスのプレゼント用で……」



店員は俺の意図を察したのか、笑顔でショーケースを開いていくつかペアのネックレスを取り出した。



「こちらは、女性にも人気がありますよ」



クリスマス前にアクセサリーを男が一人で見ていたら、恋人用のプレゼントだと思ったのだろうか。



女性向けのピンクゴールドの可愛らしい十字架のネックレスを俺の前に置いた。



これなら、美衣に似合いそうだと思った。



そのネックレスを手に取ってよく見ると、十字架には英語で『I love you』と刻まれていた。
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