兄の溺愛がマジでウザいんですけど……《完》
クリスマスらしい置物や、可愛らしい小物がたくさん並んでいるが、どれがあいつの好みに合うのかわからない。



俺は、小さなクマのぬいぐるみを手に取った。



「要、何見てるの?
彼女のプレゼント?」



振り返ると、うちの高校の制服を着た涼子が立っていた。



「彼女なんかいねぇよ。
妹のクリスマスプレゼント……」



「へー、要って、意外といいお兄さんなんだね」



「意外とって、何だよ……
もともといい兄貴じゃねぇか」



「まぁね。要は、昔から美衣ちゃんと仲いいもんね」



近所に住んでいる涼子は、小さな頃何度か美衣とも遊んでくれたことがある。



涼子に相談すれば、いい案が出るだろうか。



「なぁ、女子の好み全然わかんねぇんだけどさ……
何買ったら、妹喜ぶと思う?」



「そうだね……美衣ちゃんって、オシャレに興味あるほうだっけ?」



「たぶん、あるんじゃね?」



渋谷でよくわからないブランドの店を連れ回された俺は、そう答えた。
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