兄の溺愛がマジでウザいんですけど……《完》
「じゃあ、こういうのいいんじゃない?
この色、美衣ちゃんにピッタリだと思うけど……」



涼子は、薄ピンクの可愛らしいマニキュアを持ってきた。



こういうのは、男の俺には思いつかなかった。



涼子もオシャレに気をつかっているのか、そのマニキュアを握る彼女の爪も綺麗に磨かれていた。



「さすが、涼子……これ、いいじゃん。
でも、これだけだと小さすぎてカッコつかなくね?」



「そうだね……じゃ、これと組み合わせてみたら?
こうすれば、可愛くない?」



涼子は、さっき俺が見ていた小さなクマのぬいぐるみを持って来て、そのクマの手に薄ピンクのマニキュアを握らせた。



そのクマが、可愛らしくプレゼントを差し出しているように見えた。
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