兄の溺愛がマジでウザいんですけど……《完》
涼子が出て行ってしばらくしてから、あいつが帰ってきた気配がした。



さっきは、妹に悪いことをしてしまった。



俺が階段を下りると、美衣はリビングに荷物を置いて、コートを脱いでいるところだった。



「おかえり、美衣。いいクリスマス飾り買えたか?
一緒に飾ろうぜ」



俺は兄らしく、妹に笑顔を作った。



「一つも買ってない……」



「なんで買わなかったんだよ。
お前の財布、ちゃんと玄関に出しておいただろ」



妹は、振り返らずにつぶやいた。



「お兄ちゃんは、涼子さんと何してたの?」
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