兄の溺愛がマジでウザいんですけど……《完》
「お兄ちゃん、待って……」



「途中で止まんねぇって言っただろ」



「でも……恥ずかしいよ」



「綺麗だよ、美衣」



俺は不安そうに見上げたあいつの唇にキスをしてから、体を隠そうとするあいつの手をよかした。



美衣は、静かに目を閉じた。



無抵抗になったあいつの体に、想いをこめて触れていく。



リビングには、あいつの乱れた呼吸が響いていた。



「あなたたち、何やってるの」



突然開いたドアの音に顔を上げると、スーパーの袋をぶら下げた母親が立っていた。
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