兄の溺愛がマジでウザいんですけど……《完》
【美衣side】

「お母さん……」



私は慌ててセーターを引っ張って、露わになっていた肌を隠した。



「要、見損なったわ」



お母さんは、思いっきりお兄ちゃんの頬を平手打ちした。



お兄ちゃんは何も言い返さずに、ぶたれた頬を手で押さえていた。



「要のこと、信じてたのに……
お母さん、悲しい」



お母さんの目には、涙がたまっていた。



「美衣、大丈夫……?」



お母さんは、私にそっとひざ掛けをかけた。
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