兄の溺愛がマジでウザいんですけど……《完》
「お母さん、ごめんなさい……」



私は、実の娘として育ててくれたお母さんを裏切った。



お兄ちゃんに真剣に怒ったお母さんに、涙が止まらなくなってしまった。



「美衣は、悪くないのよ。
もう大丈夫……泣かないで」



お母さんは、私の頭をなでて申し訳なさそうに微笑んだ。



「要、ちょっと来なさい。
あなたに話があるの……」



お母さんは、真剣な目でお兄ちゃんに言った。



リビングに私を残して、二人は階段を上がっていった。
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