兄の溺愛がマジでウザいんですけど……《完》
お母さんとお兄ちゃんの間で、どんな会話が交わされたのかわからない。



二人はしばらくしてから、お兄ちゃんの部屋から出てきた。



「二人とも、ご飯にするわよ……」



私はお兄ちゃんの向かいに座ったけど、お兄ちゃんと目を合わせることもできなかった。



「美衣は、ご飯これくらいでいい?」



「うん」



笑顔でご飯茶碗を持ってきてくれたお母さんにうなずいた。



お兄ちゃんには、お母さんは何も言わずに大盛りのご飯をドンとテーブルの上に置いた。



「いただきます……」



私は小さな声で言ったけど、お母さんとお兄ちゃんは黙々とご飯を食べ始めた。
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